介護職員実務者研修 シラバス(通信)
科目 | 教育に含むべき事項 | 到達目標 |
人間の尊厳と自立 (5時間) |
人間の尊厳と自立 | ○ 尊厳の保持、自立・自律の支援、ノーマライゼーション、利用者のプライバシーの保護、権利擁護等、介護の基本的な理念の理解をする。 |
社会の理解Ⅰ (5時間) |
介護保険制度 | ○ 介護保険制度の体系、目的、サービスの種類と内容、利用までの流れ、利用者負担専門職の役割等を理解し、利用者等に助言できる。 |
社会の理解Ⅱ (30時間) |
①生活と福祉 ②社会保障制度 ③障害者自立支援制度 ④介護実践に関連する諸制度 |
○ 家族、地域、社会との関連から生活と福祉をとらえることができる。 ○ 社会保障制度の発達、体系、財源等についての基本的な知識を習得している。 ○ 障害者自立支援制度の体系、目的、サービスの種類と内容、利用までの流れ、利用者負担、専門職の役割等を理解し、利用者等に助言できる。 ○ 成年後見制度、生活保護制度、保健医療サービス等、介護実践に関連する制度の概要を理解している。 |
介護の基本Ⅰ (10時間) |
①介護福祉士制度 ②尊厳の保持、自立に向けた 介護の考え方と展開 ③介護福祉士の倫理 |
○ 介護福祉士制度の沿革、法的な定義・業務範囲・業務等を理解している。 ○ 個別ケア、ICF(国際生活機能分類)、リハビリテーション等の考え方を踏まえ、尊厳の保持、自立にむけた介護を展開するプロセス等を理解している。 ○ 介護福祉士の職業倫理、身体拘束禁止・虐待防止に関する法制度等を理解し、倫理を遵守している。 |
介護の基本Ⅱ (20時間) |
①介護を必要とする人の生活の理解と支援 ②介護実践における連携 ③介護における安全の確保とリスクマネジメント ④介護福祉士の安全 |
○ 介護を必要とする高齢者や障害者等の生活を理解し、ニーズや支援の課題を把握することができる。 ○ チームアプローチに関わる職種や関係機関の役割、連携方法に関する知識を修得している。 ○ リスクの分析と事故防止、感染管理等、介護における安全確保に関する知識を修得している。 ○ 介護福祉士の心身の健康管理や労働安全対策に関する知識を修得している。 |
コミュニケーション 技術 (20時間) |
①介護におけるコミュニケーション技術 ②介護場面における利用者・家族とのコミュニケーション ③介護におけるチームのコミュニケーション |
○ 利用者・家族とのコミュニケーション・相談援助の技術を取得している。 ○ 援助関係を構築し、ニーズや意欲を引きき出すことができる。 ○ 利用者の感覚・運動・認知等の機能に応じたコミュニケーションの技法を選択し、活用できる。 ○ 状況や目的に応じた記録、報告、会議等での情報の共有化ができる。 |
生活支援技術Ⅰ (20時間) |
①生活支援とICF ②ボディメカニクスの活用 ③介護技術の基本(移動・移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔、家事 援助等) ④環境整備、福祉用具活用等の視点 |
○ 生活支援におけるICFの意義と枠組みを理解している。 ○ ボディメカニクスを活用した介護の原則を理解し、実施できる。 ○ 介護技術の基本(移動・移乗、食事、入浴・清潔保持、排泄、着脱、整容、口腔清潔、家事援助等)を修得している。 ○ 居住環境の整備、福祉用具の活用等により、利用者の環境を整備する視点・留意点を理解している。 |
生活支援技術Ⅱ (30時間) |
①利用者の心身の状況に合わせ た介護、福祉用具等の活用、環境整備 ・移動・移乗 ・食事 ・入浴・清潔保持 ・排泄 ・着脱、整容、口腔清潔 ・睡眠 ・終末期の介護 |
○ 以下について、利用者の心身の状態に合わせた介護、福祉用具等の活用、環境整備を行うことができる。 ・移動・移乗 ・食事 ・入浴・清潔保持 ・排泄 ・着脱、整容、口腔清潔 ・睡眠 ・終末期の介護 |
介護過程Ⅰ (20時間) |
①介護過程の基礎的知識 ②介護過程の展開 ③介護過程とチームアプローチ |
○ 介護過程の目的、意義、展開等を理解している。 ○ 介護過程を踏まえ、目標に沿って計画的に介護を行う。 ○ チームで介護過程を展開するための情報共有の方法、各職種の役割を理解している。 |
介護過程Ⅱ (25時間) |
介護過程の展開の実際 ①利用者の状態(障害、要介護度、医療依存度、居住の場、家族の状況等)について事例を設定し、介護過程を展開させる。 ②観察のポイント、安全確保 |
○ 情報収集、アセスメント、介護計画の立案、実施、モニタリング、介護計画の見直しを行うことができる。 |
・事故防止、家族支援、他機関との連携等についても考察させる。 | ||
介護過程Ⅲ (スクーリング) (46時間10分) |
①介護過程の展開の実際 ・多様な事例を設定し、介護過程を展開させるとともに知識・技術を総合的に活用した分析力・応用力を評価する。 ②介護技術の評価 ・介護技術の原理原則の修得 ・実践とともに、知識・技術を総合的に活用した判断力、応用力を評価する。 |
○ 実務者研修課程で学んだ知識・技術を確実に修得し、活用できる。 ○ 知識・技術を総合的に活用し、利用者の心身の状況等に応じて介護過程を展開し、系統的な介護(アセスメント、介護計画立案、実施、モニタリング、介護計画の見直し等)を提供できる。 ○ 介護計画を踏まえ、安全確保・事故防止、家族との連携・支援、他職種、他機関との連携を行うことができる。 ○ 知識・技術を総合的に活用し、利用者の心身の状況等に応じた介護を行うことができる。 |
発達と老化の理解Ⅰ (10時間) |
①老化に伴う心の変化と日常生活への影響 ②老化に伴うからだの変化と日常生活への影響 |
○ 老化に伴う心理的な変化の特徴と日常生活への影響を理解している。 ○ 老化に伴う身体的機能の変化の特徴と日常生活への影響を理解している。 |
発達と老化の理解Ⅱ (20時間) |
①人間の成長・発達 ②老年期の発達・成熟と心理 ③高齢者に多い症状・疾病等と留意点 |
○ 発達の定義、発達段階、発達課題について理解している。 ○老年期の発達課題、心理的な課題(老化、役割の変化、障害、喪失、経済的不安、うつ等)と支援の留意点について理解している。 ○ 高齢者に多い症状・疾病等と支援の留意点について理解している。 |
認知症の理解Ⅰ (10時間) |
①認知症ケアの理念 ②認知症による生活障害、心理・行動の特徴 ③認知症の人とのかかわり・支援の基本 |
○ 認知症ケアの取組の経過を踏まえ、今日的な認知症ケアの理念を理解している。 ○ 認知症による生活上の障害、心理・行動の特徴を理解している。 ○ 認知症の人やその家族に対する関わり方の基本を理解している。 |
認知症の理解Ⅱ (20時間) |
①医学的側面から見た認知症の理解 ②認知症の人や家族への支援の実際 |
○ 代表的な認知症(若年性認知症を含む)の原因疾患、症状、障害、認知症の進行による変化、検査や治療等についての医学的知識を理解している。 ○ 認知症の人の生活歴、疾患、家族・社会関係、居住環境等についてアセスメントし、その状況に合わせた支援ができる。 |
○ 地域におけるサポート体制を理解し、支援に活用できる。 | ||
障害の理解Ⅰ (10時間) |
①障害者福祉の理念 ②障害による生活障害、心理・行動の特徴 ③障害児者や家族への関わり・支援の基本 |
○ 障害の概念の変遷や障害者福祉の歴史を踏まえ、今日的な障害者福祉の理念を理解している。 ○ 障害(身体・知的・精神・発達障害・難病等)による生活上の障害、心理・行動の特徴を理解している。 ○ 障害児者やその家族に対する関わり・支援の基本を理解している。 |
障害の理解Ⅱ (20時間) |
①医学的側面からみた障害の理解 ②障害児者への支援の実際 |
○ 様々な障害の種類・原因・特性、障害に伴う機能の変化等についての医学的知識を修得している。 ○ 障害児者の障害、家族・社会関係、居住環境等についてアセスメントし、その状況に合わせた支援ができる。 ○ 地域におけるサポート体制を理解し、支援に活用できる。 |
こころとからだのしく みⅠ (20時間) |
介護に関係した身体の仕組みの基礎的な理解(移動・移乗、食 事、入浴・清潔保持、排泄、着 脱、整容、口腔清潔等) | ○ 介護に関係した身体の構造や機能に関する基本的な知識を修得している。 |
こころとからだのしく みⅡ (60時間) |
①人間の心理 ②人体の構造と機能 ③身体の仕組み、心理・認知機能等を踏まえた介護におけるアセスメント・観察のポイント、介護・連携等の留意点・移動・移乗・食事 ・入浴・清潔保持 ・排泄 ・着脱、整容、口腔清潔 ・睡眠 ・終末期の介護 |
○ 人間の基本的欲求、学習・記憶等に関する基礎的知識を修得している。 ○ 生命の維持・恒常、人体の部位、骨格・関節・筋肉・神経、ボディメカニクス等、人体の構造と機能についての基本的な知識を修得している。 ○ 身体の仕組み、心理・認知機能等についての知識を活用し、アセスメント、観察、介護、他職種との連携が行える。 |
医療的ケア (50時間) |
①医療的ケア実施の基礎 ②喀痰吸引(基礎的知識・実施手順) ③経管栄養(基礎的知識・実施手順) |
○ 医療的ケアを安全・適切に実施するために必要な知識・技術を修得する。 |
医療的ケア演習 演習
○ 医療的ケアを安全・適切に実施するため(14時間)
①喀痰吸引に必要な知識・技術を修得する。
(ア)口腔 5回以上(イ)鼻腔 5回以上(ウ)気管カニューレ内部 5回以上
②経管栄養
(ア)胃ろう又は腸ろう 5回以上(イ)経鼻経管栄養 5回以上
③救急蘇生法1回以上